2022年06月09日

梅雨時の自律神経不調に漢方薬

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  今年の梅雨「梅雨寒」と呼ばれるほど、朝夕の気温が下がっています。気温の差に身体が対応できず、痛みなど不調を訴えてこられるお客様が増えて来ました。地域差はありますが本格的な梅雨はこれからの模様です。中四国地方ではそろそろというところでしょうか。本格的な梅雨に入ると湿度も気温も高くなってきます。ジメジメした湿気に加えて暑さが加わると、不快な気分が襲ってきます。この不快感は大きなストレスとなって襲ってきますね。私は一年中で一番いやな季節です。日本に生まれなければよかったと思うほど。特に低気圧が近づいてくると、具合が悪い~という方は多いのではないでしょうか?「身体が重い」「頭が重い、頭痛がする」「ふわっとするめまい、頭を動かすとグラっとくる」「下痢をしやすい」それとともに、悪心、吐き気がする、乗り物に酔ったような気持ち悪さがある。これらは漢方でいうところの「湿邪」によるものと言われています。また、この湿邪は身体だけでなく、心にも影響を及ぼし、気分が晴れ晴れしない、妙に落ち込みやすくなるなどの症状も引き起こしやすくなります。これはこの季節は、昼間の時間が最も長く、気温も高いことから「陽気」(エネルギー)を消耗しやすい時期であるという事も関係しています。今年の夏至は6月21日だそうです。代謝の高まりや睡眠不足が原因で「心」の「陽気」が消耗されやすいため、「心」の養生が大切になってきます。湿度が高いせいで、身体から余分な水分が出ていきにくく、湿を体にため込みやすくなります。この「湿」は「脾」(胃腸の機能)を低下させて、夏に向かって夏バテの素地を作ってしまいます。この季節は、湿を取り去る利水の働きのある、白朮や茯苓、めまいに良い沢瀉などの生薬が有効になります。また「脾」を補って胃腸の消化吸収力を助ける生薬である、人参、白朮、合わせて湿による痰を取り除く半夏、湿邪によるストレスに対応するための血流をよくして血も補う当帰、センキュウ、シャクヤク、治癒力を助ける生姜、大棗、甘草などの生薬をうまく組み合わせて飲んでいく事で、バランスを取っていくことが出来ます。

 このように、梅雨の時期の病気とは言えないんだけれど、凄く調子が悪いという症状に、漢方薬はとても役に立ちます。梅雨の時期の不調を予防、改善するための大切なポイントは「脾」を補うという事にななります。西洋医学では、めまいにはめまい止め、頭痛や頭重、足腰の痛みには鎮痛剤、下痢には下痢止め、胃が悪いと言えば最近では逆流性胃炎のお薬(これは胃酸を抑えるので食中毒にならないよう注意が必要です)という事になり、対症療法です。

この季節の養生としては、特に睡眠不足にならないよう、生活にメリハリをつけて、十分な睡眠と休養を取りましょう。食養生としては

① 「湿」を取り除き、水分代謝をよくする食材

  そら豆、さやいんげん、冬瓜、はと麦、、小豆、すもも、など

​② 「心の気」を補う食材

  うなぎ、あゆ、 アジ、小麦、そば など

③ 水を守る食材

  梅、さくらんぼ、など

もう少し暑くなってくくると熱を取り、水分を補充するための食材である

  きゅうり、トマト、すいか、メロン、緑豆、豆腐、など

を取り入れて身体が熱くなり過ぎないようバランスを取っていきましょう。もう暑い夏はそこまで来ています。梅雨の季節に養生をしっかりしていると、熱中症も起こしにくく、夏バテも防ぎます。朝夕過ごしやすいと思っていたら、急に気温が上がって暑さに対応できない、という事になります。暑くなり初めには身体が暑さになれていないため、対応できずに熱中症になりやすいのです。まだ暑くもないのに、生ものの多食や、スイカやメロンなどの夏の食べ物を冷やして食べていると脾胃を弱らせて、水分の代謝をうまくできなくなります。本格的に暑くなるまでは身体を冷やす食べ物は控えることをお薦めします。

この中で、「そら豆」には「脾」「胃」の働きを助ける作用があるため、蒸し暑さによる食欲不振や胃もたれを解消する効果があります。また、水分代謝を良くする働きがあるので、下痢やむくみを取る効果も期待できます。この時期しか食べられないこの「そら豆」を食事に取り入れて、梅雨時期の食養生の一つに加えてみてはいかがでしょうか。シンプルに塩ゆでで、おつまみにもよし、中華料理などに炒めてもよし、牛乳や豆乳と一緒にポタージュにしても美味しく召し上がれます。この季節の自然からの贈り物ですね。

この季節は、更年期障害やPMS(月経前症候群)をお持ちの方にとっては症状が悪化しやすい季節です。イライラ、抑うつ気分、怒りの爆発。不安感、頭痛、関節痛、手足のむくみなどは、この時期の「湿」による症状とダブルところがありますので、症状が増幅しやすいと言えます。是非、日頃より気(神経の働き)、血(血行ホルモンの働き)、水(水分代謝)の乱れを整える漢方薬の服用で、自律神経のバランスを良くしておくことがこの季節を快適に過ごすためにおススメです。お気軽にが相談ください。

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