2021年06月01日

子宮腺筋症と体質改善

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 女性にとって、生理痛は辛いもの、左のイラストは油汗が出るほどの痛さに辛そうです。激しい生理痛が起こる疾患として挙げられるのが、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫です。この中でも特にきつい生理痛を起こすのが、子宮腺筋症です。子宮腺筋症とはどのような病気なのでしょうか?これは、本来子宮の内側に存在しているはずの子宮内膜が、子宮の壁の中(子宮筋層内)に侵入する疾患です。子宮筋層内に子宮内膜が入り込んでしまうと、子宮の壁の中で出血が起きてしまいます。それにより、本来、しなやかなはずの子宮の筋肉が硬く肥厚してしまうので、様々な症状の原因になります。

 原因は出産や流産、あるいは手術などの機械的刺激により子宮内膜が子宮の壁(筋層)に入り込んでしまう、または子宮内膜症の病変が、子宮の壁の中に発生してしまう、ということによります。子宮内膜症は、子宮内で出来る内膜がほかのところで起こることによります。卵巣に起こることが多いですが、腹膜やダグラス窩などその周辺に起こることもあります。卵巣で起こるとチョコレート嚢胞と呼ばれます。その子宮内膜が子宮筋層内に起こるのが子宮腺筋症。子宮内膜症と同じように原因がはっきりわかっていません。しかし、更年期になってくるとホルモンの低下に伴い症状が治まってくることから、女性ホルモンが関わっていることは間違いないようです。後発年齢は30歳代~40歳代の間です。

 症状としてはとにかく生理痛が激しい、子宮内膜症も生理痛がきついですが、これらの病気の中で最も生理痛がきついと思われます。生理の直前から骨盤の痛みが間欠的に起こります。脂汗が出るほど痛く、鎮痛剤をのんでも仕事に行けないという人もあります。子宮腺筋症と不妊の関係性はよくわかっていませんが、着床しずらくなると言われています。また、流産や早産、破水、産後の大量出血などのリスクが高くなると言われています。子宮腺筋症の方の場合、子宮が硬くなっている事が多く、子宮が大きくなっていくことに抵抗し、早産になりやすいようです。妊娠後半から出産まで子宮収縮抑制剤を服用され、やっとの思いで出産されるという方も多いようです。

 西洋医学での子宮腺筋症の治療法は、症状の強さや、妊娠希望の有無、年齢などによって異なるようですが、当店のお客様では、女性ホルモンの分泌をゆるめて、卵巣機能を抑制し、子宮内膜の増殖を抑える目的でジェノゲストというお薬を処方されておられる方が多いです。しかしこのお薬は不正出血が起きたり、吐き気がしたり、また更年期のような症状(ほてりや頭痛、肩こり、めまい)が起きて続けることが困難な方も多いようです。当店にも、お薬が飲めないので何か漢方薬はないですかとご相談されることがあります。その他、ジェノゲストなどのお薬が飲めない方や年齢や症状の強さによっては手術を勧められることもあるようです。

 漢方では、子宮内膜症や子宮腺筋症は、いずれも女性ホルモンのアンバランスや、血液の滞りが原因と考え、まずはこの血液の滞りを除去するところから考えていきます。そして、漢方薬としてはトウキ、センキュウ、シャクヤク、ボタンピ、トウニンなど血液の滞りをよくする生薬に加え、エンゴサクやゴシツといった痛みに効く生薬が配合された処方を飲んでいただく事が多く、さらにはその方の体質に合った生薬を合わせて漢方薬をお選びしています。この病気は錠剤や散剤などのエキス剤では改善に時間がかかることが多いので、当店で煎じ代行している「煎じ薬」をお勧めしています。やはり、エキス剤との効き目の違いを大きく感じる疾患です。2~3か月の服用で少しずつ、痛みが和らいで来られるお客様が多いです。その上、半年、1年と継続していただくと、新たな子宮腺筋症の発生も防ぐことが出来、妊娠を希望されているお客様には、妊娠しやすい身体づくりのお手伝いが出来ています。この病気は体質改善をされながら、妊娠することが出来ると、その間と授乳中は生理が起こらないため、その間もしっかり漢方薬を飲んでいただく事で、体質が変わり、子宮腺筋症の体質が改善することもあります。このような生理にかかわる病気は「漢方薬」がお役に立てる分野です。西洋医学では、痛み止めやホルモンの働きをおさえたりすることで治療し、対症療法しかなく、お薬の副作用も気になるところです。

若いときから、生理痛があり、学業などに支障をきたすようでしたら、早くから漢方薬を飲んでいただく事で、30代くらいになってからのこのような病気を防ぐことが可能になることも十分考えられます。「生理痛はないのが正常」なのです。最近では生理痛がない人よりもある人の方がずっと多いということです。生理が始まったた時からずっと生理痛はあるものと思い、鎮痛剤をのんで過ごしていたなんて、本当にもったいないと思います。漢方薬の継続で生理痛が起きない体質に変わることは十分可能です。生理痛がない人でも、漢方薬を飲んでおくことで、女性の生活を豊かにを変えていくことが出来るとさえ思っています。漢方薬は美容にもとても良いのですから。生理が始まる年頃、妊娠出産の前後、更年期の時期には是非、漢方薬を服用して、身体を整えておかれることをお勧めします。「漢方薬は女性の強い味方です!」

 子宮腺筋症で苦しい思いをされている方がおられましたら、漢方薬という強い味方があるということを知っていただいて、是非お気軽にご相談いただけたらと思います。ご相談お待ちしています。

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