2021年04月27日

更年期障害と漢方薬

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  更年期の時期に様々な症状でご相談に来店されます。更年期障害はなぜ起きるのでしょうか?実はそれにはメカニズムがあります。更年期には卵巣の機能が低下し、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の量が急激に減少しホルモンバランスの乱れが起こります。これに反して、エストロゲンの分泌を調節している脳にある視床下部では、エストロゲンを分泌するよう卵巣を刺激します。ところが、機能が低下した卵巣はその刺激に反応できません。このような状態を繰り返すうち、視床下部は混乱状態に・・・・さらに視床下部は、身体の様々な機能を調整する自律神経の指令室でもあるため、この混乱が自律神経にも伝わり、自律神経のバランスも崩れてしまいます。その結果、心と体に様々な症状が現れてしまうのです。

 早い人では、40代の半ばごろから、何となく体調がすぐれない、イライラする、急にのぼせたり汗が出てくる、頭痛や肩こり、憂鬱になる、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどなど、様々な症状が現れます。「もしかして更年期❓と思いながら、悩んでいる人はいませんか?更年期の不調は約80%の女性が経験すると言われています。

 更年期は閉経前後の5年~10年くらいの期間を指します。そしてその更年期の症状はなんと200種類以上に渡ると言われています。

更年期の主な症状

心の症状 落ち込み 憂うつ イライラ 集中力低下 無気力 不眠 不安感

身体の症状 のぼせ 肩こり 発汗 頭痛 冷え めまい 動悸 吐き気 腰痛 疲労感 関節痛

医療機関での更年期障害の治療は、薬物治療であるホルモン補充療法、漢方薬、抗精神薬などがあります。

ホルモン補充療法は、減少した女性ホルモン(エストロゲン)をホルモン剤などによって補う方法です。エストロゲンの低下は更年期の症状を引き起こす要因であるため、理には適っていますが、長期使用による乳がんのリスクの上昇、不正出血、血栓ができやすくなると言った注意が必要な場合もあります。漢方薬は「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」が婦人科の三大漢方としてよく使われます。胃腸の弱い人には不向きであったりすることもあり、また現代人は一昔前と比べて全体的な体力が低下していることから、この3つの処方では対処できないほど複雑な状況になっています。また、更年期による心の症状が重いときには、抗うつ剤、抗不安薬、睡眠導入剤が処方されることもありますが、日常生活が送れないほどの症状でない限り、期間限定の症状ですから、これらの依存性のあるお薬は飲みたくないという方も多いようです。

当店での更年期の漢方薬のご相談

女性の更年期にはには是非当店の漢方薬をお役立ていただきたいと考えています。漢方薬は更年期などの女性のホルモンバランスを整え、血流を改善して冷えを取り、腎虚と言われる老年期を快適に迎える準備をするのに大変適しています。まず当店では、お一人お一人の症状を詳しくお聞きして、病歴なども参考にさせていただき、その方がどういった体質であるかを漢方的に判断させていただくところから始めます。そして何より胃腸を大切に考え、食事が美味しく食べられることを重要視します。そのうえで、更年期の期間を少しでも快適に過ごせるよう生薬の特性を考えながらお薬をお選びします。もちろん「煎じ薬」が効果が良いですし、お選びする生薬の幅も広がります。しかし錠剤や散剤での選薬も吟味してお選びさせていただきます。漢方薬は最初のうち、「効くのかしら」と不安に思われる方も多いですが、続けていくうちに、「そういえば最近イライラする場面が減った」「やっぱりホットフラッシュは起きるけど以前ほど激しくない」と症状を忘れるようになる方が多いです。漢方薬はとにかく継続が大切です。まずは血液が入れ替わる4か月を目標に始められるようお勧めしています。

更年期は老年期への準備をする時

当店では、更年期のご相談に来店されると、これから少しずつ腎虚の事も考えていきましょうというご提案をしています。「腎」とは西洋医学でいうところの、「腎臓」だけでなく、泌尿器系、生殖器系、を意味し、父母より受け継いだ生命力をも意味します。人の成長、発育、生殖に影響を与える生命エネルギーを「腎気」と呼びます。「腎気」加齢により減少すると考えられ、腰痛や骨粗しょう症、脱毛や白髪、難聴や耳鳴り、皮膚の乾燥、カユミ、排尿障害や尿失禁、四肢のだるさや冷え、はいわゆる「腎虚」と呼ばれる症状と考えています。このような症状が女性では更年期以降現れてきます。骨粗しょう症は更年期から注意が必要なことは皆様もご存じだと思います。当店では、更年期のご相談時にこのような症状の予防も始めていかれることをご提案しています。腎虚で有名な処方と言えば「六味丸」「八味地黄丸」「牛車腎気丸」「杞菊地黄丸」などがありますが、これもまた、胃腸に負担がかかることも多く、万人向きではない処方と言えます。胃腸が問題ない人でがっちりした男性などは、これらがよく効いて、とても喜ばれることがあります。女性の更年期の時期には、更年期にお選びする漢方に加えて、更年期に良い生薬の「トウネズミモチ」や失われていく潤いをと持つため、ホルモンの働きを高るために、「地黄」という生薬を胃腸に負担のない形でお勧めしています。さらに、楊貴妃や西太后が美容と健康のために密かに飲んでいたと言われる「阿膠」をお勧めして、老年期を美しく健やかに過ごせるよう準備をされるようご紹介しています。「阿膠」は山東省で驢馬の皮とその地方の水から作られた本物の阿膠を選んでいます。滑らかな体の動き、艶やかな髪、聡明な思考力が続きますよう応援させていただきたいと思います。女性が更年期以降も元気で楽しく過ごせますよう、是非お気軽にご相談ください。

                          

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