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2021年1月

子宮筋腫と食事

2021123133335.png​子宮筋腫とは 

 婦人科疾患の中で、子宮筋腫は最も多い疾患と言われ、30歳以上の女性の20~30%の人が持っていると言われています。どちらかと言えば、良性の婦人科疾患で、近年増加傾向にあると言われています。子宮は筋肉で出来ていますが、その筋肉から発生する良性の腫瘍のことを子宮筋腫と言います。筋腫はできる場所によって左の図のようなタイプに分類され、それぞれ症状も違ってきます。

 子宮筋腫ができる原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンである、エストロゲンが関与しているということは確かなようです。そのため、エストロゲンが分泌さていない初潮前の女性には見られませんし、閉経後の方では新たに筋腫ができることはありません。また、筋腫がある方でも、閉経すれば、ある程度小さくなっていきますので閉経前では支障がなければ治療する必要はないのです。

子宮筋腫の症状は、筋腫の位置が内腔に向かうほどひどくなります。主な症状は、月経時の出血量の増加や貧血、腹痛、腰痛などです。出血量が多くて貧血になるという方もおられます。症状が強くて、生活に支障をきたすような方は手術などの治療を勧められます。また、子宮筋腫が不妊の原因になることもあります。しかし子宮を全摘したのでは、妊娠が望めなくなりますので、最近では、筋腫のみを切除する、子宮筋腫核手術というのも行われています。

 子宮筋腫は増加の傾向にありますが、その背景としては、女性ホルモンにさらされる期間が長くなったことが考えられます。昔は一人の女性が5人も6人も出産していた時代がありました。しかし、現代は1人や2人の人が多く、生涯出産を経験しない人も増えてきています。

 一人の赤ちゃんを産むことで、およそ2年間の無月経期間が生まれますので5人産むと生涯で10年間、エストロゲンにさらされない時期があるということになります。同じ婦人科の病気である「子宮内膜症」も同じことが言えます。

子宮筋腫があるからと言って、必ず婦人科での治療が必要というわけではなく、筋腫があることで起こるひどい生理痛や貧血などがあり日常生活に支障をきたすような人が対象になります。

子宮筋腫の原因は西洋医学的にはわかっていません。大きくなる原因としては女性ホルモンのエストロゲンが関与しているということです。ただ遺伝的要素は指摘されていますが、できる人とできない人との違いは分かっていません

気になるところである、子宮筋腫は悪性化(ガン化)するのかするのかどうかということですが、現在の統一見解では、、子宮筋腫は悪性化しないと言われています。子宮筋腫と同じく子宮平滑筋が原発と言われる腫瘍に子宮筋肉腫と言われるものがありますが、これは子宮筋腫が悪性化したものではないと言われています。子宮筋腫に似ていますが、元々別の疾患だと言われています。

 子宮筋腫は悪性化しないことがわかっていますから、症状がなければ、経過観察でいいと思われます。が子宮筋肉腫であるかどうかは医師の内診などで、疑いがあると言われた場合はしっかり検査してもらいましょう。子宮筋肉腫はかなりまれな腫瘍と言われていますが、悪性度の高い腫瘍と言われています。

子宮筋腫の食事療法は漢方の考えを取り入れてみる。

 まずは冷えないように「体を温めることを考える。」子宮筋腫は漢方薬で血流を良くして、身体を温め、水分代謝を整える事で小さくなる方がたくさんおられます。そして「便通を整えて、骨盤内のうっ血を改善する」、「適切な運動により血流をよくする」筋腫は慢性疾患であり、生活習慣との関りは大きいので、これらの「生活療法」の実践は大変重要です。実際の効果も決して小さくありません。

食事療法

 まずは、動物性脂肪を減らしましょう。エストロゲンの材料になりやすいのは動物性脂肪です。脂っこい食事、特に肉類はバランスをとって食べましょう。

そして、便通をよくするような食物繊維の多い食事を心がけ、便秘を改善しましょう。食物繊維には、エストロゲンを吸収して排出してくれる働きもあります。

身体を冷やすような食事を控え、温める食事を多くとるようにしましょう。

 特にお勧めなのが、大豆です。大豆にはバイオフラボノイドという物質が含まれていて、これは私たちの体内で作られるエストロゲンに比べるとはるかに体に対する作用が弱いものです。(合成エストロゲン=ホルモン剤に比べると5万分の1の影響力しかない)しかし、実際に食事の一部として摂取されると、体内で産出されたエストロゲンと競合して、細胞内のエストロゲンレセプターに結びつこうとします。体に対する影響力の小さい植物性エストロゲンががより多くのレセプターを占拠すれば、エストロゲンによって引き起こされる作用(筋腫の増大や内膜組織の増殖)をある程度抑制することができるのではないかという考えも成り立ちます。逆に更年期には、大豆を摂取することで弱いながらもエストロゲン作用を持っているので、更年期症状を緩和するのに役に立つのではと言われています。

その他、ビタミンBやビタミンEを含む食品は肝臓の働きをよくするためエストロゲンの働きを下げるのに役立ちます。特にビタミンB6は炎症を鎮め、筋肉をリラックスさせる作用を持つタイプのプロスタグランジンの産出にも必要とされ、月経痛を和らげてくれます。また、カルシウム、マグネシウム、カリウムを多く含む、小松菜やブロッコリー、小魚などはPMSや生理中のむくみを和らげてくれます。

 避けた方がよい食品は、肉類、乳製品があげられます。これらの食品には筋肉を収縮させる働きを持つ、F2αプラスたグランジンというホルモンのもとになる脂肪酸が含まれています。したがって、特に内膜症の方の場合、子宮の筋肉の収縮によって引き起こされる月経痛や炎症を悪化させる可能性があります。肉類や乳製品をある程度減らすだけでも、長期間続けると効果が出てくるというデータもあります。

 また塩分の多い食品は体のむくみを引き起こします。アルコールは肝臓のエストロゲンの代謝を弱めますので避けた方がよいでしょう。

基本的に体を温める食品を中心に、肉類や乳製品を控えるとよいでしょう。

身体を温める食品には冬にとれる根菜類、大根、サトイモ、ゴボウ、など、そして色の黒いもの、例えば、黒ゴマ、黒豆、黒砂糖(白砂糖は体を最も冷やします)天日塩、干した生姜、長ネギ、松の実などがあります。味噌などの発酵食品はもちろん身体を温めます。味噌汁と玄米ご飯は最高の食事です。

子宮筋腫は漢方薬が最も得意とする疾患です。

子宮筋腫に効果のある漢方として有名なのは、「桂枝茯苓丸」という処方ですが、必ずしも現代人にはこの漢方薬が合うとは限らず、江戸時代よりも添加物や身体を冷やす食べ物を多くとっていたり、ストレスで自律神経のバランスを崩している人が多いことなどを考慮しながら、現代の女性の体質に合った漢方を選んでいくことが重要になってきます。

漢方薬の服用で子宮筋腫が小さくなったという、漢方使用例は本当にたくさんあります。筋腫が小さくなっただけでなく、肩こりや生理痛、生理前のイライラも改善して良いことだらけの漢方薬になること請け合いです。とにかく、「漢方薬は女性の味方」なのですからのまな飲まなきゃ損です。