2020年12月25日

生理前の憂欝、「うつ」かしらと不安になっていませんか?

2020122515180.jpg

 生理前になると「憂鬱」になるという人は、意外と多くいます。「憂鬱」になった時が生理前であると認識せずに、なんか「うつ」っぽいなあ、うつ病になるのかしらと不安になっておられる方も結構多いのではないでしょうか。特に、コロナウイルスのせいで、外出することに戸惑いがあり、多くの人がストレスを抱えていると思います。ストレスが高い状態だと、この生理前の憂欝も、感じやすくなる可能性があります。この「生理前の憂鬱」が生理前に限定している様ならば、それは「うつ」ではなく、PMS月経前症候群である可能性がとても高いです。このような症状を「うつ」と見分けるポイントは、生理が始まると「あれは何だったのかしら」と思えるほど、気分が変わるというところにあります。本当に「うつ」になりかけていたら、生理前でも生理中でも憂鬱な気分は変わりません。そんなところで見分けていただいて、もし生理前に限定しているようでしたら、それに対応して、漢方薬などが有効です。

 ところでこのPMS(月経前症候群)、最近では、マスコミなどでもよく取り上げられるようになり、かなり知られるようになりました。このPMS, Premensutrual Syndromeの事で、 直訳どおり月経周期前の症候群です。これは女性なら程度の差はありますが、7~8割の人が何らかの症状があると言われています。月経予定日の大体1週間から3日くらい前になると、心身不安定になる症状のことを言います。ちょっとしたことでイライラしたり、身近な人とケンカしやすくなったり、否定的になったり、涙もろくなったり、落ち込みやすくなったり、集中力がなくなったり、頭痛やむくみ、ニキビが出たりといった様々な症状が、周期的に生理前になると現れ、生理が始まると(または生理が終わると)何事もなかったかのように症状が治まる人が多いのが特徴です PMS の中で、特に心理的症状が極度に強い場合は、PMDD(Premenstrual Dysphonic Disorder)日本語で月経前不機嫌障害と診断されることもあります。無気力になる、理由もなく憂鬱になる、ちょっとしたことで死にたくなるほど落ち込む、というのは一人で抱え込んでしまう苦しさがあります。これらの症状が出たときに、PMS(PMDD)だと理解していないと「自分はなんてダメな人間なんだ、もしかしたら欝か何かの病気かもしれない」などと思ってしまう人がいます。特に普段有能で責任感の強い人だとそんな自分がゆるせなくて、大きく落ち込んでしまう傾向があります。しかし、PMSを知ってさえいれば、また来た、と受け流したり、生理が来れば収まると思うことで不安な気持ちをコントロールできるかもしれません。

 PMSは生理前にエストロゲンとプロゲステロンというホルモンが急激に低下することで、脳内のセロトニンという伝達物質が混乱を起こし、分泌異常を起こして低下することで、心理的トラブルを引き起こすのではないかと考えられています。西洋医学的な治療法は、ホルモン剤や、抗不安薬、抗うつ薬などを使い、PMSの症状を抑えます。しかしこれらのお薬は対症療法ですので、毎月服用して、その時をしのぐということになり副作用の心配もあります。

その点、漢方薬は、対症療法ではなく、継続することにより、体質を変えていき、ホルモンの急激な変化による混乱を起こしにくい体質を作るという働きがあります。昔から、「漢方薬は女性の強い味方」と言われていて、私もそれを毎日実感しています。漢方薬は、1剤でいくつもの症状に効果がある、言い換えれば、原因から治していくので、いろいろな症状が順番に改善していくお薬であると言えます。そのため、多様な症状が出るPMSには最も適した治療法と言えます。

 漢方の治療では、体の中で「気、血、水」のバランスを整える事で心身共に健全な状態を作っていくことを目指します。PMSでは生理前のホルモンの急激な変化により「気、血、水」のバランスが乱れてしまうことにより症状が現れます。また、日頃からホルモンバランスの悪い人は症状が強くなると考えられます。このようなホルモンバランスを整えることは、漢方薬の得意分野であり、さらに「気、血、水」のバランスをよくすることで、PMSの症状は格段に楽になる人が多いです。当店のお客様の中には、こんなに楽になるのなら早く飲めばよかった、そういえば生理前にはものすごく子供を怒っていたのに怒らなくなった、主人とケンカしなくなった、職場での人間関係が改善した、と喜んでいただいています。

 とにかくPMSの症状は、無い人の方が珍しいというほど誰でもが経験している症状です。自分だけかしらと抱え込まずに、気軽にご相談ください。何せ本当に漢方薬は、女性の味方なのですから。「生理前の憂鬱」はうつ病とは違うメカニズムで起きています。是非漢方の力を役立ててみてください。

お問い合わせはお気軽にこちらからどうぞ   LINEでもお気軽にこちらからご相談ください

オンラインショップはこちらから