2019年05月13日

胃ガンに藤こぶ、カシ、菱の実 ヨクイニン 白い巨塔

 今年、38年ぶりに「白い巨塔」がドラマ化されるようです。私たちの年代ですと、田宮二郎さんが演じられた財前助教授が懐かしく思い出されます。

この山崎豊子さん原作の小説「白い巨塔」主人公の財前助教授は食道がんや胃がんの名医として国際的に知られた千葉大学医学部教授の中山恒明先生だと言われています。

この中山恒明教授が昭和34年、民間薬を使った研究を行い、日本医師会雑誌に特集記事としては発表されています。この中山教授の記事の内容

 3年ばかり前に、胃ガンの患者の手術を行った。開腹したがガンが腹膜に広がっていたのでガンの手術はできず、病理診断のために組織を一部採取しただけで腹を閉じた。本人にはガンを全部切除したから再発することはないとうその説明をした。家族には3か月くらいだろうと説明していた。

ところが1年半くらいたってその患者がピンピンして私のところに挨拶に来た。「先生が言った通りだ。先生は手術がうまい。再発なんかしない。飯もだんだん食えるようになった」と言った。私はこういう馬鹿なことはない!採取した組織はガンである事は確かで、ほかの良性疾患ではない。患者によくよく尋ねてみると、「帰ってから近所の者に勧められて、漢方薬を飲んでいる。非常に具合がいい」ということであった。患者にその漢方薬を買ってきてもらって、2年くらいの間に、手術によって根治することが出来なかった進行性の、又は難治性のガン患者168名にこの漢方薬を服用させて検討してみた。この研究に使ったのは藤こぶ、カシ、菱の実、ハトムギからなるWTTCと名付けた処方である。

このWTTCを根治手術不能{西洋医学では治療困難)な胃ガンや食道ガンの患者に飲ませると、だいたい20%くらいの患者が非常によく効いたと言っている。食欲が出る、通じが良くなる、腹水のあるものは腹水が減るという症状の改善も多く見られた。進行がんにWTTCを投与したグループはかなりの延命効果があることが明らかになり、私自身もWTTCを用いてなかなか良い効果があると実感している。

今から60年も前に、胃ガンや食道がんの手術では世界的に名医としてガン治療に携わっておられた中山恒明教授が、進行ガンにおける漢方治療の有用性を指摘し、漢方薬の研究を行われていたことは驚きです。

現在では、このWTTC処方の原料の確保が難しく、特にフジ瘤という藤の木にできる突然変異の瘤が入手困難なようです。漢方メーカーでは剤盛堂薬品がこのWTTC処方に、沢瀉という生薬を加えて製品化しているのが1種類のみです。

「コイクシン」という製品で、当店では特に大きなイボや、ノド、大腸にできたポリープに3~4か月飲んでいただいて良い成績を得ています。現在、高齢、体力低下で手術のできない胃がんのお客様にも服用頂いています。

皆さん、「白い巨塔」が始まりましたら是非、このお話しを思い出してくださいね!!