2018年02月09日

漢方薬をがん治療に活用する意味

 近年では2人に1人がガンになり、3人に1人がガンで亡くなると言われています。「ガン」がとても身近な病気になりました。いつかは「ガン」になるのではという不安が誰にでもある時代です。

 ガン患者の死亡原因のうち、「ガン」そのものの原因ではなく抗がん剤の副作用や手術によるものがかなりを占めています。放射線、化学療法は「がん」を抑制、殺傷しますが同時に正常な細胞までも傷害します。「がん」に対する放射線、化学療法による副作用は厄介な問題であり、治療効果に大きく影響しています。

 抗がん剤の多くは骨髄に影響を与え、病原菌と戦う白血球などの細胞を作る働きを低下させるため、感染症にかかりやすくなります。そのため化学療法を受けている間は繰り返し何度も白血球の数が測定され、数が少なくなりすぎた場合には、次の治療が延期されるか、薬剤の投与量が減らされます。その他にも消化管の粘膜が障害されて下痢を起こしたり、食欲を低下させたり、きつい場合には吐き気に苦しめられたりします。肝臓や腎臓の機能を障害することもあります。そのような副作用を治療する薬も開発されて臨床で使われていますが、体力や抵抗力の低下を防止するという点ではまだ十分ではありません。

 近年多くの報告により、漢方薬、特に補剤と抗がん剤を併用すると、抗がん剤の副作用を軽減し、患者の免疫力を低下させることなく、所定の濃度と期間の抗がん剤を投与できることが明らかとなってきています。中国および日本における多くの臨床的研究において、化学療法や放射線のみの場合に比べて、同時に漢方薬を併用した場合には、治療の有効性が高くなる事、副作用もより軽度になり、QOLが優れていることが報告されています。

がん治療に耐える土台をつくる

 外科手術や化学療法、放射線など効果があるとされた場合は積極的に行うべきです。これらの攻撃的な治療によって生じる体力や抵抗力の減弱を防止し、合併症の発症を回避し、体力回復を図る目的に漢方薬は有用です。免疫力低下の防止や回復促進に有効な漢方薬は、外科手術などの攻撃的な治療の結果引き起こされる体力低下や免疫力低下を防ぎます。漢方薬だけでなく当店でお薦めしている保健食品は手術の前、抗がん剤、放射線治療の際に飲んでいただき、治療もうまくいき、体力の回復も早かったと喜んでいただいています。副作用や体力低下が起きてからでは大変です。回復することは可能ですが、費用対効果が悪くなってしまいます。医療現場での標準治療と合わせての併用はとても有意義ですのでこのような方法もある事を皆様に知っていただきたいと思います。栄養状態や体力、免疫力があれば化学療法や放射線治療、そして手術の効果も良くなってきます。体全体の治癒力を高めることはがん治療に耐える身体を作り、治療効果を高めることになります。

ガンにならない体質への改善

 たとえ一つの「ガン」を克服したとしても、またすぐ別のガンが発生すようでは元も子もありません。身体が「ガン」になりやすい状態では再発や転移も起こりやすくなっています。免疫力や生体防御力の低下や炎症の継続やフリーラジカル(活性酸素)の発生は、ガンの発生や再発リスクを高めます。つまり、「ガン」になりやすい体質傾向を引き起こします。「ガン」の克服後の漢方薬や保健食品の継続はとても有意義です。